今年の目標の一つは節約、というか、お金の使いどころをよく考えてメリハリつけることなので、まあ今日はお金を一銭も使わないで過ごしてみようか、と朝起きて決める。
「足るを知る」という言葉がお気に入りで、そのような人生でありたいと思う。本当に。それなのに私は気前よくお金を使ってしまう癖があり、「宵越しの金は持たぬ」とばかりに飲みに出ては散財、という日々を繰り返している。
会社員だった時代にはそれなりの稼ぎも貰っていたのに、ほとんど貯金をせず飲み歩き、さらになけなしのお金でインドに2年も留学した。ビザの関係もあってその期間は一切稼ぐことができず、おかげで一時帰国時の生活はなかなかハードだった。
「古いお米があるから持って行って良い」と言われて貰ってきたお米には虫がわいており、しかしせっかく食べ物を貰えたんだから、と一生懸命お米を洗って食べていた。何度も何度も洗って水を替えてまた洗って、それでも虫の死骸が浮いてくる。毎度ゆうに1時間以上はお米を洗っていたと思う。米ぬかのおかげでピカピカになった手を眺めながら米を炊き、まだ虫が取り切れていないかもしれないという不安は、浮いた食費で飲みに行くことを考えて紛らわせた。
ちなみに私はアル中ではない。
あれはあれで貴重な経験だったし、今もお金をけちけちしたいわけではないから使うときはパーッと使うつもりだけど、家にあるもの、すでに持っているもの、恵まれているものを活かして食事の一つでもこさえてみるのも楽しそうじゃん、と思ったのだ。節約は楽しくなければ。
というわけで冷蔵庫のありもので作ったシンプルなチキンパエリア、これが非常に絶品だった。
パプリカもレモンもパセリもなく、材料は玉ねぎとチキンとコンソメの素とホタテ缶の余った汁のみ。鶏肉を焼いて出た油で米と玉ねぎを炒め、あとは水と鶏肉と共に炒め煮するだけ。チキンライスのような味だけど、私がパエリアだと思えばパエリアである。
夜、冷蔵庫の残り物で晩酌する。この日本酒はお正月のときの残り物。
もちろん私はアル中ではない。

