日中、まずは清掃バイト。
社長氏の謎な指示によっていつもよりだいぶ早く仕事を終えることができた。あがったあとにお礼を言ったら「あれ?いつもこういう指示じゃなかったっけ?」と。社長氏は激務とプライベートの激変によって最近本当にぽやぽやしている。まあ早く帰れるのはラッキーだし、余計なことは何も言うまい、とにっこり笑って現場を後にした。
行きたい店には行けるうちに行こう、を先日からモットーにして動いているので、今日のお昼ご飯も以前から行きたいと思っていた昔ながらの定食屋に向かった。渋谷の百軒店にあるカツ屋さんで「とりかつチキン」という。1977年創業。雰囲気のある店内でもりもりご飯を食べた。

実は、私は渋谷の高校に通っていた。校則が厳しい学校で、制服の正しい着用にうるさいのはもちろんなのだが、個人的に一番厳しいと感じていたのが「学校以外の施設への立ち寄り禁止(コンビニもダメ)」という掟だった。しかし渋谷は誘惑の多い街である。ゲームや音楽の好きな私がのほほんと寄り道せずに帰宅するわけがなく、渋谷の街のあちこち(特にセンター街)を見回りする先生の目をかいくぐっては(時には捕まって生徒指導室に連行されたり反省文を書かされたりしながら)ゲームセンターやタワレコやHMVやライブハウスに通った。
センター街にあるHMVなどはもうどうしようもないのだけど、ゲーセンやカフェやランチの場所は先生が見回りに来ない「絶対安全圏」を選んで過ごす。百軒店もその安全圏の一つで、早帰りの土曜日のランチはここにある「ムルギー」というお店で時々食べていた。憧れの大槻ケンヂが行ったお店と聞いて、同じくオーケンファンの友達と共に高い敷居をぐいっと跨いだのだ。高校生が入るような店ではない(というか百軒店自体が制服を着た高校生の歩くようなエリアではない)ので、最初はジロジロと見られたけれど、何回か入店するとその視線にも慣れてきた。私が通っていたときはおばあさんが働いていて、注文を聞いているんだか聞いていないんだかよくわからない「はあ」という返事のあと、数分待つとうず高く盛られた山のようなご飯としゃばしゃばのカレー、ご飯のわきにたくあんの添えられた料理皿が運ばれてくるのだ。(そういえば西荻窪の「ちんとう」というお店に似ているような。ちんとうのご飯も、おばあさんがえっちらおっちら運んできてくださる)
あの高校時代から早20年。ランチ後に思い出の百軒店をぐるっと歩いて回ってみた。新しいお店もたくさんあるけれど、名曲喫茶ライオンやたるやのような昔からのお店もまだ残っている。高校生の頃の私はさすがにライオンに入る勇気はなくて、気になりながらいつも素通りしていた。近いうちにライオンにも行こう。高校生のときの私を成仏させてあげるんだ。

