0601.Mon
内臓の飲酒疲れを感じる朝。字幕校正の作業を先方に打ち返し、インドのガイドブックの作業も終えて入稿に移る。案の定、入稿時にトラブル発生。創意工夫で乗り切った。諦めない心が大事。
松村圭一郎編『働くことの人類学』を読む。Podcastを活字化したものに加えて、巻頭には小説家の柴崎友香との対談が載っている。この対談がまた素晴らしかった。ここではないどこかや、ありえたかもしれない可能性を想像すること。私見だが、想像力のある人は心が強い。今ある社会の規律や常識を超えた世界や他者の価値観を想像できる人の強さに、私はいつも敬服し、自分もあらゆる想像に耐えうる心をもっていたい、と願う。
0602.Tue
台風の日はなんだかそわそわする。そわそわと出勤。それにしても6月らしい天気だ。その季節らしい日々がちょっぴり嬉しい。
台風が来るので飲む、という謎の行動原理がこの街では広く浸透しているのか、なぜか飲んでいる人が意外と多い夜だった。どこかに余裕が漂う。リモートワークが導入されたことの良さは災害時に在宅に切り替えられることで、悪さは電車が止まっているので堂々と休む/遅刻するという手段を使えなくなったことか。ともかく飲兵衛から連絡をもらって合流し、やんやと飲む。先日のロックジャンボリー出演者の店で締め、今年も半分終わるなあと感慨に耽った。
0603.Wed
台風だがジブリ美術館のチケットがあるので行かないか、とお誘いをもらって、強風と大雨のなか濡れねずみになって友人とジブリ美術館へ行った。初めてのジブリ美術館、素晴らしいの一言に尽きる…!世界観が細部にまで徹底されていることに感動した。ディズニーランドに行っても心から楽しめない自分を「テーマパークが苦手なタイプ」と認識していたのだけど、そうではなくて単純に好みの世界観がディズニーランドのものとは合わなかっただけだと気がついた。特別にジブリが大好きなわけではないのだけど、物の表現の仕方・見せ方がしっくりくる。こんなの見たらみんなアニメーターになりたくなっちゃうだろー!と思いつつ、身近な友人がアニメーターやイラストレーターをやっていて死にそうになりながら働いていることも知っているので、世知辛いよなあと。クリエイターはどんな気持ちでこの展示を眺めるのだろう。とはいえ一緒に行った漫画家の友人はとても楽しそうにしていたのだけど。
0604.Thu
今月から清掃バイトの勤務形態が変わった。その初日。だいぶ楽に作業を終えられて気分が良い。社長氏ありがとう。
ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージ、それでもなお』を読み始める。アウシュビッツにはゾンダーコマンドという、ガス室で殺されたユダヤ人の死体処理などをするために作られたユダヤ人の組織があった。彼らは口封じのために必ず殺される運命にあり、その声は誰にも届かない。それでも彼らは外部にアウシュビッツの真実が広まることに(文字通り)命を賭け、写真を外部に流していた。「もっと遠くにまで届くはずだ」とメモを書き添えて。
そうして外部に届けられたわずか4枚の写真は、アウシュビッツで何が行われていたかを知らしめる動かぬ証拠となる。その一方で、クロード・ランズマン(「ショアー」の監督)らからは表象不可能なものが写真によって固定されイメージ可能なものに置き換えられてしまうことなどへの批判もされてきた。この本には、ランズマンらの批判に対する応答や反論も含まれていて、単にアウシュビッツで何があったのかという話にとどまらず、表象不可能なものとイメージの関わり合い、人間の「想像」という営みそのものについての考えを深めるのに最適な気がして読んでいる。が、読み始めて早々、記述されている絶望的な状況を読んでは胸がぎゅっとなる。痛い。
夜は西荻窪のバーの間借り営業。台風接近に伴って木曜日に営業を変更してもらっていたのだけど、それが功を奏したのかいろんな方が遊びに来てくれて嬉しかった。モチベという言葉を使うのは卑怯だという意見に賛同。やるか、やらないか、だな。

